プリントについて
2013.08.08
アワガミインクジェットペーパーの検証結果
PHOTONEXT_2013で、アワガミファクトリーさんのブースでいただいた無料サンプル(ハガキサイズ)で出力実験してみました。
自分の作品の最終形態であるプリントにはこだわりたいものです。そのため、用紙の選択が非常に重要になってきます。今のところ、ハーネミューレ、アワガミ、フレスコジクレーの3種が自分では気に入っています。というか、A3以上の出力はフレスコジクレーしかまだ無いですけど…。
その次は、エプソン純正のウルトラスムースファインアートペーパー、ベルベットファインアートペーパーですね。あ、ピクトラン局紙も捨てがたいw
Contents
アワガミとは
国際的な写真家、Gregory Colbert(グレゴリー・コルベール)氏の作品展に使用されたことから、その知名度を上げたと言われています。一般的なインクジェット用紙にはない、独特の風合い。「びざん」は職人が一枚一枚、手漉きで作られているそう。日本人なら使ってみたい用紙です。
» アワガミファクトリー
検証機材
EIZO CG246(キャリブレーションは内蔵、「印刷用:5000K」)
Photoshop CC
EPSON PX-5600
色空間:sRGB(Adobe RGBでないのは理由があります)
ICCプロファイルでの出力結果
アワガミファクトリーさんのサイトからダウンロードできます。
結論として、彩度が高めでマゼンタが強く出ます。色の度合いについては個人の好みがあるので、良い悪いはありません。ただ、自分好みではありません。i1など使用してしっかりとキャリブレーションすればまた結果は違うのでしょうけど。さずがにそんな高価なものは買えません…。
自分好み(モニターで調整した色)にするには、Photoshopで彩度を-20〜30、マゼンタを減らすためにイエロー系を足します。
プリンターによるカラー管理
これはEPSONの色づくりにまかせるもの。
これはICCプロファイルに比べて、彩度が低く出ました。モニターに近づけるには、彩度を+20くらい足すと、ちょうどいい感じでした。肌の色もこっちが好き。
アワガミの良いところ
なんといっても、柔らかい風合いと用紙の優しい白色。この用紙でしか出せない世界観は魅力です。写真家の吉田繁さんの著書にもあるように、ローキーよりハイキーの作風に合っていると思います。
一口に「アワガミ」といっても、その種類は豊富です。
いただいた無料サンプルの結果、やはり厚みがあって、あまり黄色味が強くない用紙が良かったです。具体的には、
- 竹和紙 250g (滑らかでポートレート向きと感じました)
- プレミオ忌部 (滑らかでポートレート向きと感じました)
- プレミオ楮 (表面のテクスチャが風景向きかも)
- びざん 中厚口 (表面のテクスチャが風景向きかも)
が好きです。()はあくまで個人的意見。
A2サイズ位で、「びざん」で出力してみたい。そういえば去年末のエプソンのセミナーで、茂手木さんも「和紙はA1サイズ位に出力して真価を発揮する用紙」とも言っていました。
アワガミの悪いところ
まだ、最大A4サイズでしか試していませんが、紙粉(?)のせいか、プリンターの紙を引き込むローラー(?)がツルツルになってしまい、用紙を給紙するのに、非常に手間がかかりました。
普段は滅多に使わないエプソンのクリーニングの用紙を、アワガミ出力のために何枚も使いました。(普段使わないぶん、貯まってて良かった)
大きいサイズもそうなのかな?
これは結構大変でした…。
用紙によって、補正しなければならないのは大変ですけど、意図した色でプリントできるとすごく嬉しくなります。フレスコジクレーや和紙などのマット系の用紙は、スキルがないと難しいですが、やり甲斐のある用紙です。
お金がないから、用紙自体なかなか買えませんが…。
もっとプリントスキルを上げていきたいです。
(本名:大沢忍)手を出しすぎて自分でも何者なのかよくわからないクリエーターぽい人。
Drone Movie Contest 2024グランプリ、東京カメラ部 動画クリエイター2023 10選。一等無人航空機操縦士。筋トレと子どもをこよなく愛する内臓貧弱系。クスッと笑える不幸体質の持ち主。日本人のアイデンティティをテーマに、画像よりも手元に残る作品作りを目指す。
YouTubeの登録数は驚異の20人超え。(甲州よっちゃばれ倶楽部調べ)
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shinobuOsawa
写真、動画、空撮からウェブや紙のデザインまで幅広く手掛けるクリエイターっぽい人。
筋トレと子どもをこよなく愛する、クスッと笑えるプチ不幸体質の持ち主。
筋トレ好きの内蔵貧弱系。親しくなるとオネエ言葉になります。
写真を画像ではなく、用紙にこだわり、オリジナルプリントとして手元に残り続けることができる作品を生み出すことが目標です。