山崎光学写真レンズ研究所さんにHektorを研磨に出したらマッチョおじいさんになって帰ってきた話

TwitterなどのSNS(個人の)はごくまれにしか投稿しないのですが、思いのほか「いいね」がついたり、私なんかより全然写真が上手な方からメッセージ届いたりするとすっかり萎縮して投稿を控えてしまう今日このごろです。(業務は別ですけど、個人は日陰でひっそりと隅にいたい、もやしメンタルです。)

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Hektor f=5cm 1:2.5

さて、ときどきこのブログに登場するHektor f=5cm 1:2.5。1930年代に製造されたので、そろそろ90歳にもなろうかという大先輩のレンズです。
90年もの間、どんな景色を写してきたのでしょう。それを考えるだけでものすごく趣深いレンズです。

フォトヨドバシ「RANGEFINDER」にも「円熟の瞳に写る、優しく穏やかな世界」と紹介されています。

私も、場面は選びますが、このレンズが写す優しい世界観は大好きです。
(写した写真はHektor f=5cm 1:2.5のタグの一覧ページで)
何年も手元に置くレンズは大変少ないのですが、一番古い(9年所有)Leica Summilux 50mm F1.4 ASPH. に次いで2番目じゃないかと。

山崎光学写真レンズ研究所さんに研磨をお願いする

そんなHektor f=5cm 1:2.5。ずっと気になっていた山崎光学写真レンズ研究所さんに研磨をお願いしてみました。
数年前から存在は知っていたのですが、なんとなく覚えていて、アトリエライカさんの記事をたまたま見て、背中を押された感もあり、ついにお願いしました。

問い合わせすると、ぶっきらぼうな職人さんらしい対応。(悪い意味ではないですよ)
「どういう風にしたいの?」という問いに、私も研磨によってレンズがどうなるかなんてよくわからなかったので、「とにかく古いレンズですので、クモリを研磨で磨いて欲しい」というようなお願いをして、兎にも角にもまずはレンズを送りました。

その後は連絡がなく、2週間たった辺りで聴いてみると、「古いレンズだからネジがなくて調達している。もう少しかかる」とのこと。
ここからまた2週間後連絡してみると「やっとネジが調達できたので、いまから磨く。10日くらいかかります」との回答。

というやり取りを経て、一ヶ月半ほどで、Hektor f=5cm 1:2.5氏が送られてきました。おかえりなさい。

蘇ったキレッキレの筋肉(写り)

SIGMA fp + Hektor f=5cm 1:2.5

肝心の写りは…

SIGMA fp + Hektor f=5cm 1:2.5

もはや別人(レンズ)!
山崎さんでは「クモリをとって、ピント面もよく写るようになりましたよ(というような内容だった)」と。
いやはや、ここまでとは。

SIGMA fp + Hektor f=5cm 1:2.5
SIGMA fp + Hektor f=5cm 1:2.5
SIGMA fp + Hektor f=5cm 1:2.5

円熟のおじいちゃんが、ステロイドでも打って、マッチョおじいさんになったような感覚。
スケベじゃないけど、筋肉ムキムキになった亀仙人みたいw
(※公開している写真は、もちろんカラーコレクションをしています。)

気になるお値段は、問い合わせしたときにご回答いただいた30,000円で済みました。
30,000円で新しいレンズを買ったかのようです。

でも相変わらず優しい…

SIGMA fp + Hektor f=5cm 1:2.5

でも、Hektor f=5cm 1:2.5らしい写りはそのまま。
光ある場所では、変わらずふわっとした優しい描写も見せてくれます。
古いレンズを蘇らせてくれた山崎光学写真レンズ研究所さんには感謝です。ありがとうございました。
オールドレンズをお使いになっている方で、気になる方は問い合わせしてみてはいかがでしょう😊

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shinobuOsawa

写真、動画、空撮からウェブや紙のデザインまで幅広く手掛けるクリエイターっぽい人。
筋トレと子どもをこよなく愛する、クスッと笑えるプチ不幸体質の持ち主。
筋トレ好きの内蔵貧弱系。親しくなるとオネエ言葉になります。
写真を画像ではなく、用紙にこだわり、オリジナルプリントとして手元に残り続けることができる作品を生み出すことが目標です。

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