檻越しにこちらを見つめるフクロウの横顔。掛川花鳥園で撮影。

正直な仕事が、ちゃんと報われる世界に

檻越しにこちらを見つめるフクロウの横顔。掛川花鳥園で撮影。
SONY α7R Ⅴ + FE 24-70mm F2.8 GM II

クリエイティブの仕事は「なぜこんなに苦しくなるのか」「なぜ良くしようとするほど、続けにくくなるのか」(もちろんクリエイティブに限らず、です。)

自分で自分の首を絞めてしまう

私は、デザインを入口に、Webサイト制作、写真、映像、そしてドローンへと仕事の領域を広げてきました。 いろんな仕事をしてきたけれど、どの現場でも繰り返してしまうことがあります。

頼まれてもいないのに、勝手に「全部盛り」にしてしまう。

止まり木にとまるオニオオハシ。奥にもう一羽が見える掛川花鳥園の展示スペース。
SONY α7R Ⅴ + FE 24-70mm F2.8 GM II

ラーメン屋に例えるなら、ラーメンを食べに来たお客さんに「いや、卵もチャーシューもチャーハンも、なんなら餃子も全部つけたほうが絶対美味しいから。ラーメンだけの値段でいいから、食べてみてください」と、勝手にトッピングを山盛りにして出してしまう感じ。

お客さんは喜んでくれる。「こんなにしてもらって」と感謝される。その瞬間は、たしかに嬉しい。

でも気づくと、原価は持ち出し。時間も持ち出し。そして次からは、それが「普通」になってしまう。

誰かに強いられたわけじゃない。全部、自分でやったこと。だから余計に、やり場のない苦しさが残ります。

「良くしたい」が止められない

なぜそうなってしまうのか、自分でもよく分かりません。

「ここも直しておいた方がいいな」
「これも提案した方が、きっと喜んでもらえる」
「せっかくだから、もうひと手間かけよう」

その積み重ねが、いつの間にか当初の見積もりを大きく超えている。でも、後から「やっぱり追加料金ください」なんて言えない。言いたくもない。

結果として、良くしようとした分だけ、自分が削られていく。
この構造に気づいていても、止められない自分が嫌になります。

お金をもらうことが、どうしても苦手

止まり木の上で羽を大きく広げるフクロウ。掛川花鳥園にて撮影。
SONY α7R Ⅴ + FE 24-70mm F2.8 GM II

西野亮廣さんの本、『夢と金』にある「お金が尽きると夢が尽きる」という言葉には、本当に共感しています。理屈では完全に理解している。

でも、どうしても対価としてお金をもらうことが苦手なのです。

「この仕事に、こんなにもらっていいんだろうか」
「相手に申し訳ないんじゃないか」
「高いと思われたらどうしよう」

そんな考えが先に立って、自分の仕事に値段をつけることから逃げてしまう。

頭では分かっているんです。時間は有限で、機材や環境にはお金がかかって、その影響は家庭にまで及ぶ。
このままじゃ続けられない、というか限界も見えてきている。

答えは、まだ出ていません

夕暮れ空を背景にした掛川城の外観。静かな時間帯の城のシルエット。
SONY α7R Ⅴ + FE 24-70mm F2.8 GM II

正直に言えば、この仕事をやめようと思ったことは何度もあります。

それでも続けているのは、「ありがとう」と言ってもらえる瞬間が、やっぱり嬉しいから。誰かの役に立てたと思える瞬間が、何より報われるから。

ただ、「ありがとう」だけでは生きていけない現実もある。最近は、さすがにそれだけでは続けていけないと感じています。

この文章には、結論がありません。「こうすればいい」という答えも持っていません。

成果物の裏には、見えない「経緯」と「判断」と「責任」があること。どんな仕事でもそうした背景に考えが及ぶ人でありたいと思います。

正直な仕事が、ちゃんと報われる世界になればいいなと思う大晦日の夜でした。

最近は仕事を通じて大変うれしいお言葉ばかりいただくのですが、年々同じスピードで走れなくなってきているのに、同じように走り続けてさすがに心が疲れました。

でも頼まれると嬉しくてやっちゃうんですよね。倒れるまで止まれないかも(笑)

今年最後に使用したカメラは SONY α7R Ⅴ と FE 24-70mm F2.8 GM II でした。α7R Ⅴはいいカメラですね。でもSONYさん、FX2出した後にα7 Ⅴとか出しちゃうんですよね。そういうところ、ちょっと嫌(笑)
さて、来年はどんな機材が必要になって、そして購入(散財)するのでしょうか。買わないのが一番なんですが。

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shinobuOsawa

写真、動画、空撮からウェブや紙のデザインまで幅広く手掛けるクリエイターっぽい人。
筋トレと子どもをこよなく愛する、クスッと笑えるプチ不幸体質の持ち主。
筋トレ好きの内蔵貧弱系。親しくなるとオネエ言葉になります。
写真を画像ではなく、用紙にこだわり、オリジナルプリントとして手元に残り続けることができる作品を生み出すことが目標です。

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