根室納沙布岬にいたキタキツネ

Sachtler vs SIRUI──気になる三脚を手持ちのSachtlerと比較してみた。

今日は、最近高評価のSIRUIの三脚について気になったので調べてみました。

SNSでは「SIRUIいいよ!」という声が最近とても多いですよね。
でも、実際にSachtler(ザハトラー)を使用している身としては、
「Sachtlerとの違いは?」「現場で本当に使えるのか?」という疑問が出てきます。

※上記商品はたぶん後継機?かな。微妙に名前が違う。私が使用している同製品はもう売っていないと思います。

ChatGPTくんを使って、いま使っているSachtlerと最近評判のSIRUIを比較してみました。
比較してみると、現場での“軽さと安定性のバランス”をどう考えるかが見えてくると思います。

三脚ってめちゃくちゃ大事です。高くても一本間違いないのを持っていると何年も使えます。
私は13年前に購入したGITZOのトラベラー三脚(Gitzo GK1580TQR4)は、
いまだに写真撮影でバリバリ現役。当時B&Hで15万円くらいだった記憶。
5年前に購入したSachtler ace L FT GSは、映像制作で欠かせない三脚となっています。
確か20万円くらいした記憶。

読むと、自分に合った三脚を選ぶ判断軸が見つかるんじゃないでしょうか。

なぜこの比較をするのか──「現場で使える」って、意外と人によって違う

FUJIFILM X E5 + XF35mmF14 R

私は普段、山梨を拠点に映像制作を行っています。
現場は舗装路ばかりではなく、森の中や堤防の上、山の斜面なども多い。
車を止めてから撮影地点まで結構歩くなんてことも日常です。

そんな環境で大切なのは、「軽さ」と「安定性」のバランス。
三脚は、撮影の安定を支える“縁の下の力持ち”ですが、
同時に「最初に疲れを感じる機材」でもあります。

Sachtlerに不満はないですが(重いけど、この大きさにしては軽い)。
だからこそ、最近高評価のSIRUIがとても気になります。

両モデルの特徴整理|Sachtler ace L FT GS vs SIRUI SQ-75 + VHS-10(※ChatGPT:一次情報ベース)

※スペックは各メーカー/正規取扱情報の公開値を参照しています。雲台と脚で耐荷重表記の基準が異なる場合があるため、システム耐荷重は雲台の値(小さい方)で判断するのが実運用上は安全です。

項目Sachtler Ace L FT GS(所有)SIRUI SQ-75 + VHS-10
構造/脚機構flowtech®75(クイック展開)Rapid SystemOne-Stepフリップロック)
雲台CB/ドラグCB 7段/流体ドラグCB 7段/パン・チルト3+0 steps
耐荷重(雲台基準)約6kg(13.2lb)約10kg(22lb)
脚耐荷重(参考)最大約18kg※脚単体公称
ボウル径75mm75mm
備考“L”は6kg、“XL”は8kgモデルRapid機構で重装備でも高さ調整が速い

出典:Ace Lの耐荷重・CB段数(Sachtler Ace L)/Ace XL現行系の公称(8kg)、SQ-75 Rapid/One-Step機構、VHS-10仕様(22lb, 7-step, 3+0) 。

スペック上は、SIRUIの方が耐荷重が高く、価格はおよそ半分。
SNSで「コスパ最強」と言われるのも納得です。
一方でSachtlerは、長年テレビや映画の現場で使われてきた安心のブランド。
Flowtech構造による“素早い展開と撤収”が魅力です。

現場での使用感比較|地方ロケでの「リアルな使いやすさ」

① 機動性(スピードと持ち運び)

Sachtlerはflowtech®75のおかげで、とにかく展開が速いです。ワンタッチで脚を解放して即座に水平が取れるので、時間が読めないロケ現場では心強い存在です。

一方SIRUI SQ-75は、従来の「段ごとにレバーを開ける」方式ではなく、One-Stepの特許フリップロックを採用したRapid Systemです。各脚を一操作で連動伸縮でき、重い機材を載せたままでも高さ調整がしやすい設計になっています。体感としてはFlowtechにかなり近い“速さ”が出せます。

① 機動性(スピードと持ち運び)

Sachtlerはとにかく展開が速い
ワンタッチで脚を伸ばし、即座に水平を取れるFlowtech構造は、
時間が読めないロケ現場では神のような存在です。

ただし、軽量化の代償として脚の開脚角がやや狭く、
風の強い港や高地では“踏ん張り不足”を感じることも。
ただいま北海道に撮影に来ていますが、GOOPASSさんでレンタルしたFE 200-600mmのレンズを装着して、風などが吹くと微妙に揺れます。
とはいえ、こうした望遠レンズでない限り、揺れを感じたことはないです。

一方SIRUIは、Flowtechに似た「ワンステップフリップロック機構」を採用しており、
高さ調整が非常にスムーズです。脚の剛性も高く、重量バランスがしっかりしているという評価。
実際、動画で見る限り展開スピードはSachtlerにかなり近い印象です。

② 安定性(風・地形・ブレ耐性)

SIRUIのVHS-107段カウンターバランスに加え、パン/チルトの3+0段ドラグで粘りを作りやすく、望遠時の微妙なブレ抑制に寄与します。脚側の公称耐荷重も余力があるため、剛性面の安心感が得やすいです(システム耐荷重は雲台基準で運用)。

Sachtlerも動作は軽快で、「速く作って速く撮る」場面に強いのが持ち味です。ただし風の強い港や高所では、脚の据わりよりもスピード優先の設計ゆえに、条件次第で揺れの対策(荷重や位置取り)が必要になる場面があります。

③ 運用性とコスト(整備・修理・可搬性)

長期運用を考えると、Sachtlerはやはりプロ機材らしい耐久性
5年使っても脚のロックがヘタらず、雲台の粘度も安定しています。
ただし、修理や部品交換は海外対応が多く、時間もコストもかかりそうです。

SIRUIは国内販売店経由でのサポートがしっかりしており、
交換部品も入手しやすい点が魅力。
ただ、雲台のドラッグ調整部分は使い込むと「滑り」が早く出る印象があります。

Sachtlerは「時間との戦い」、SIRUIは「地形との戦い」に強い?

現場のリアルを踏まえると、こう使い分けるのが最も効率的なのでは。

  • Sachtler: 時間がシビアな映像現場、旅撮、日没前の一発勝負ロケ
  • SIRUI: 風のある場所、山岳・海辺、長時間定点撮影

本音を言えば、2本持って現場ごとに使い分けたいところです。
……でも、そんなに買えません(笑)

ということで、三脚で悩まれていて、コストパフォーマンス重視であればSIRUIでしょうね。
私も今の状況ならSIRUIを選ぶと思います。
比較的余裕があった時期にSachtlerを購入できておいて良かったです。

製品はSNSで「在庫切れ」という声があったので見てみると確かに在庫切れでしたが、10/27午後現在は復活して残り9点に増えています。

こんな記事書いていると欲しくなってしまう…汗

“機材選び”は、スタイル選びでもある

三脚って、実は「自分の撮影スタイルを映す鏡」だと思います。
軽さを取るか、安定を取るか。現場ごとに最適解は違います。

もし一人で撮影をしているなら、
「どんな時間を奪われたくないか」を基準に選ぶのがおすすめです。
移動か、設営か、撮影か──。その優先順位が、あなたの最良の三脚を教えてくれます。

いろんな人の意見や実体験から、三脚は高くても“それだけの価値”があります。
いろんなレンズを買う前に「これだ!」という三脚を一本持つこと。
特に映像では、それが大きな差になります。

というわけで、今回は「Sachtler vs SIRUI」というテーマでお話しました。
どちらも本当に素晴らしい三脚ですが、使う環境によって“真価”が変わるんじゃないでしょうか。
三脚に限らず、カメラやレンズも同じことが言えますね。

結論。
写真や映像はとにかくお金がかかる──。笑

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一本気・ネガティブ・公平
(本名:大沢忍)手を出しすぎて自分でも何者なのかよくわからないクリエーターぽい人。 Drone Movie Contest 2024グランプリ、東京カメラ部 動画クリエイター2023 10選。一等無人航空機操縦士。筋トレと子どもをこよなく愛する内臓貧弱系。クスッと笑える不幸体質の持ち主。日本人のアイデンティティをテーマに、画像よりも手元に残る作品作りを目指す。 YouTubeの登録数は驚異の20人超え。(甲州よっちゃばれ倶楽部調べ)

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shinobuOsawa

写真、動画、空撮からウェブや紙のデザインまで幅広く手掛けるクリエイターっぽい人。
筋トレと子どもをこよなく愛する、クスッと笑えるプチ不幸体質の持ち主。
筋トレ好きの内蔵貧弱系。親しくなるとオネエ言葉になります。
写真を画像ではなく、用紙にこだわり、オリジナルプリントとして手元に残り続けることができる作品を生み出すことが目標です。

国後島を望む海上の風景。穏やかな海と青空が広がり、水平線の先に国後島が霞んで見える。

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夕暮れの青い空を背景に、暗がりの中で静かに浮かび上がる赤い花。

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