ドローンで撮影した地蔵岳の巨大なオベリスクと岩場に立つ登山者

16kgを背負って、地蔵岳へ。後編

前回の続きです。

約16kgの荷物を背負って8時間かけ、どうにか鳳凰小屋までたどり着きました。小屋が見えたときの感動はいいですよね。

場所に案内されると、先に右隣にいた方が「いびきがうるさいかもしれませんが、すみません」と一言伝えてくれました。こういう気遣い、有り難いですよね。こういう方に限って、実はあまりうるさくなかったりします。個人の肌感ですが。

後から左隣に来られた方は、なかなか賑やかな方でした。

頭が見えないくらいの薄いパーティーションはあるのですが、当然、音までは遮ってくれません。ガサガサという音や寝息に加え、途中からはヘッドライトを点滅させたまま爆睡。

朝というより夜中に出発する予定だったので、少しでも寝ておきたかったのですが、これがなかなか寝られません。途中で耳栓を持ってきたことを思い出して助かりました。小屋泊では必須ですね。

夜の2時。音を立てないように静かに起き、荷物を玄関に移動して、小屋で用意してくれた朝食のお弁当を食べます。

出発。

いよいよ地蔵岳へ向かいます。ここまで運んできたMavic 4 Proが、ついに出番です。

風よ吹くな……と祈りつつ山頂へ向かいます。相変わらずゼェゼェハァハァ言いながら、まだ誰も登り始めていない地蔵岳を踏みしめます。

ようやく山頂に着くころには、マジックアワーの始まり。

夜明け前の地蔵岳とオベリスク、空に浮かぶ細い月

「明日はここ最近でもベストな天気予報です!」

山小屋の方も夕食時にそう自信を持って話していましたが、山頂に着いてみると、みるみる雲に覆われてきてちょっといまいち……。山の天気は思うようにはいきませんね。

前日に下見ができなかったので、暗がりの中で離着陸できそうな場所を一生懸命探します。後から登ってきた方がすでにいた場所が良さそうだったので、「すみません、ここからドローンを飛ばさせていただきます」と声をかけ、了承をいただいて飛行準備。

その方、しばらくするとヨガマットを広げてヨガ?を始めました。

うん、いろんな人が山にはいますね(笑)

ドローンで撮影した地蔵岳の巨大なオベリスクと背後に広がる山並み
DJI Mavic 4 Pro

地蔵岳の象徴でもあるオベリスク。地上から見上げると、巨大な花崗岩の塊が目の前に立ちはだかります。

それを少し離れた空から見ると、今度はオベリスクだけではなく、その岩峰がどんな地形の上に立っているのかまで見えてきます。さらに高度や方向を変えると、その先には山々が連なり、観音岳の先には富士山まで見えてきました。

地蔵岳上空から望む鳳凰三山の稜線と雲海に浮かぶ富士山
DJI Mavic 4 Pro

ドローンを使っていて面白いのは、高いところから撮れることだけではありません。自分が立っている場所を、一度そこから離れて見られることです。

地上では巨大に見えていた岩も、少し離れれば山を形づくる一部分になります。逆に、上空からでは分からないものもあります。岩の質感や大きさ、その場に立ったときの圧迫感。

今回はHasselbladも持ってきたので、空からはMavic 4 Pro、地上ではHasselbladと、同じ場所を違う視点から撮りました。登山の行程はα7R VIとSIGMA 20-200mm、ozmoPocket…。

いや……持って行き過ぎだな……。

写真を撮る仕事をしていると、機材を軽くしたいと思うことは何度もあります。今回も16kgを背負いながら、何度そう思ったか分かりません。

Mavic 4 Proを置いてくれば、機体と送信機の分だけ確実に軽くなります。Hasselbladと三脚を置いてくることもできました。

でも、地蔵岳まで来てみると、両方持ってきて良かったと思いました。

たぶん。

地上に立って見える景色と、そこから離れて初めて見える景色。その両方を残したかったのだと思います。

ドローンで上空から撮影した地蔵岳のオベリスクと岩稜
DJI Mavic 4 Pro

写真だけを見れば、16kgも、8時間も写りません。前編にも書きましたが、写真になると、きれいな部分だけが残ります。

それでいいのだと思います。

撮る側がどれだけ大変だったかは、写真を見る人には関係ありません。ただ、自分がそこまで行かなければ撮れなかった。そして何を見て、そこでシャッターを押したのか。

写真は、自分の人生の一コマです。

こうしてブログやSNSに載せて、承認欲求を満たしたいだけなのかもしれません。それでも残った写真には、そのとき自分が何を見て、何を感じていたのかが残ります。

一生懸命に、自分が生きた証を残したいのかもしれませんね。

いつか、自分の子どもたちが父親の写真を見て、私のことを少しでも感じてくれたら嬉しいな、と思います。

地蔵岳から見上げた花崗岩の岩峰と朝の空

偉そうなことを言っていても、実際には16kgの荷物が重くて何度も下山しようと思い、山小屋では隣の人の寝息に苦しみながら撮った写真です。

子どもたちは、そんな写真をどう感じるのでしょう。それとも、まったく見られないままデータはどこかに行ってしまうのか(笑)

それはそれで仕方ないですね。

アフィリエイトリンクについて

このサイトでは、自分がいいなと思った製品を興味を持った方がすぐに価格など見れるようにRinkerなどのプラグインを使用してアフィリエイトリンクを使用しています。もちろん、見てくださる方の利便性が第一ではあるんですが、おかげさまでワンシーズン(3〜4か月)に一度はスタバでコーヒー一杯くらい飲める程度の紹介料をいただくことができています。リンクを利用して購入してくださった方ありがとうございます。

ただ、Amazonなどが必ずしも最安とは限りません。その場合は把握している範囲で記事で共有しますが、気になる方は公式など他のサイトもチェックしてみてください。

一本気・ネガティブ・公平

(本名:大沢忍)写真、映像、ドローン空撮、デザイン、Web制作など、手を出しすぎて自分でも何者なのかよくわからないクリエーターぽい人。
Drone Movie Contest 2024グランプリ・特別賞(W受賞)、東京カメラ部 動画クリエイター2023 10選。一等無人航空機操縦士。筋トレと子どもをこよなく愛する内臓貧弱系。クスッと笑える不幸体質の持ち主。日本人のアイデンティティをテーマに、画像よりも手元に残る作品作りを目指す。
YouTubeの登録数は驚異の20人超え。(甲州よっちゃばれ倶楽部調べ)街を歩いていても誰にも声を掛けられません。

樹林帯に立つ「鳳凰小屋 あと20分」の案内標識

< 前の記事 16kgを背負って、地蔵岳へ。